茶花は、いけばなとは違い、自然にある姿をそのまま生かして、美しく生けます。洋花は、基本的に使わず、野にある花を生けます。
とは言っても、京都市内も都会なので、その辺の近所に生えているということも少なく、お家で育てるか、お花屋さんで見つけるか、ということになります。
花は野にあるように
私は、未生流のいけばなの師範資格を持っていますが、茶花を入れるのはちょっと苦手です。いつもうまく入れるのが難しい・・と思いながら床の間に入れています。
いけばなといえば、新花であれば、洋花も使いますし、自由なアレンジもします。
造形的に、花や葉の線と面などを意識して形作っていきます。
それに対して、茶花は、野にあるような姿を美しく入れます。
お花の角度をよく見て、どの角度がいちばん美しく見えるかに加え、自然の風情が味わえるか、考えます。
夏の茶花によく使われる植物
6月でしたら、小さめのガクアジサイも使われることがありますね。
もう6月も終盤なので、紫陽花はそろそろ枯れてきたかもしれませんが。
これから7月、8月は、一番よく使われるのはムクゲでしょうか。
この白く中が赤いのは、宗旦ムクゲです。
私の家の庭では、早々とたくさん咲きすぎているくらいに咲いています。
9月ごろになると、もうほとんど咲かなくなるくらい、宗旦むくげという種類は、わりと早く咲く傾向があります。
矢筈ススキ。盛夏は葉がよく使われます。
秋口になってくると、葉より、ススキの穂の方が使われます。
京かのこ。葉っぱだけですが、花はピンクの可愛らしい花が咲きます。
金水引。本当に、水引のような形で細く伸びて、黄色い小さな花がつきます。
金水引は、8月頃からでしょうか。9月になってもよく咲いていると思います。
籠花入れ
弊店にはそんなにたくさんの種類の籠花入れは現在、ありませんが、
こちらは、横山竹材店さんのものです。
鶴首、鵜籠、桂籠など、たくさん種類があります。
傘型、宗全籠、蝉型、唐物籠などもお茶室で見かけることがあります。
お茶室では、花は唯一のいきものとして、大切に生けられています。
はじめてお茶会に行くと、一番に目につくのはだいたいお茶碗や茶杓、棗になると思いますが、床の間の花や花入れも季節のごちそうです。