最近の日本の家は、和室がない所も多いので、若い人の中には「床の間」が何のことかわからない方もいらっしゃるようですが、私も茶道を習うまでは、しつらえ方まで考えたことはありませんでした。
実家や祖父母宅には和室があったので、大切な「掛け軸や置物を飾る場所」という認識だけでした。
しかし、いくつか床の間の飾り方にはルールがあります。
今日は、花と花入れに注目してみます。
花入れの種類
花を入れる器のことを、茶道では花瓶と言わず、「花入れ」と呼びます。千利休の教えに「花は野にあるように」とあるように、花はいけばなのようにデコレーションしすぎず、自然のありのままの姿を美しく入れます。
素材は、籠花入れ、竹、信楽や備前、青磁などの陶器や金物などがあります。
籠花入れは、風炉の形式に使います。写真は、横山竹材店さんのものですが、宗全籠や鵜籠、鶴首など様々な形があります。
その他、竹一重切りや二重切り、陶器のものは、特に季節は問わずに使うことができますが、それぞれに格があり、「真・行・草」に分けられます。
真(一番格が高い):青磁、唐銅、赤絵など
行(中間):釉薬のかかった瀬戸、丹波などの陶器
草(上2つより砕けた形式):釉薬のかかっていない備前、信楽などの陶器や竹
本床では、花入れに敷板を
本床とは、正式な床の間のことを言い、床柱、床框(とこがまち)、落とし掛けを備えて床が一段高くなっているものです。
このような正式な床の間においては、竹や陶器の花入れには、敷板を敷きます。
竹や備前など草の花入れには、木地の敷板(蛤端)がふさわしく、青磁耳付きなど真の花入れには、塗りの敷板(矢筈板)がふさわしいです。
ちなみに、行の花入れには塗りの敷板(蛤端)とされています。
但し、例外があります。本床であっても、籠花入れの場合は、敷板を敷かないのがルールになっています。
板床(踏み込み床)では、敷板は不要
板床とは、床框をつけず、床の高さが、お客様が座られる畳の高さと同じものです。
踏み込み床とも言い、だいたい板になっていることが多いですが、畳である場合もあるそうです。
この板床においては、籠のみならず、竹や陶器の花入れであっても、敷板は敷かないことになっています。
花入れを置く位置
上記写真は、偶然、花入れの位置は右になっていますが、いつも右とは限りません。
水屋(台所)のある方に置くことになっています。
また、置くだけではなく、「釣り花入れ」もあります。釣る場合も、同じく水屋の方向に釣ります。
但し、掛け物が横物である場合は、花入れは、真ん中に置きます。
一見堅苦しいように聞こえますが、ルールに従って置いてみると、なるほど!その方が美しく見えるわ、と納得しました。
お茶室だけでなく、お家の床の間にちょっと野の花を飾るとき、きっと役に立つと思いますよ。
3か月・お家を和やか&華やかに!京都市北区の未生流いけばなレッスンご予約はこちら
特別な道具不要!きもの斡旋販売なし!
たった3か月で、きものでさっとお出かけできるようになる!着付け教室はこちら
京都観光で気軽に行ける!夜のお茶席体験(お食事つき)はこちら