神社やお寺などでは、早くも12月13日の仕事始めに正月飾りがされますが、だいたい一般のご家庭でお正月飾りを始めるのはクリスマスを過ぎてからですね。
門松、注連縄、鏡餅など。これらは、歳神様をお迎えするための目印と考えられているので、31日の一夜飾りや「苦立て」といわれる29日に立てるのは嫌われます。
最近では、27,28日辺りから飾るのが主流のようです。
お家の中でも、生け花を飾り、お正月らしく晴れがましい雰囲気を作りたいですね。
七五三の若松(しめのわかまつ)
足もとに金銀の水引を結んだものを華道「未生流」では「七五三の若松」といいます。若松は、若々しい生命力があり、また端正な美しさが喜ばれ、正月の花に用いられます。
なぜ七五三かというと、2つに割れない数として和の精神を表すとされ、祝いにふさわしいと考えられているからです。
七は水引を7把用いるので七。五は、松の翠が5本生じるので五。三は、生け方が「三才格」といって3つのラインを基本としているので三です。
一番長いラインを「体」、体の3/4の長さが「用」、体の半分のラインを「留」と呼び、それぞれ「天・人・地」を表しています。3つの和合を表現した姿が、松の頭と足下を結ぶ縦のラインを底辺とする直角二等辺三角形となっています。
日本的な生け花というと、さりげなく入れた茶花をイメージする方が多いですが、この二等辺三角形が「格花」と呼ばれ、床の間に飾るのにふさわしい花とされています。
同じ松ですが、こちらは松とセンリョウ。縁起がいいですね!
一番短いライン(留)にセンリョウを使っています。
七五三の万年青(しめのおもと)
こちらも松と同様、「格花」の生け方です。万年青と書いて「おもと」と読みます。漢字からして、生命力や家系存続が感じられ、縁起が良いです。
万年青は、内側の新葉が生長するにつれて、外側の古葉が枯れ落ちる特徴があり、新旧交代の関係が永続につながるめでたいものとされています
万年青は、なぜ七五三かというと、1番大きな株(体)に葉を7枚、2番目の株(用)に5枚、一番小さい株(留)に3枚使うからです。3つの株は、お父さん、おじいちゃん、孫の三世代を表します。
12月に生け込みをして、うまく手入れをすると3月まで花がもちます。
赤い実もかわいらしいですね。昔は今のようにカラフルなお花が年中あるわけではなかったので、きっとこの赤い実と緑が冬に映えたのではないでしょうか。
格花の主位と客位
七五三の若松と万年青では、二等辺三角形の向きが反対なのは、お気づきになったでしょうか。実は、和室の床の間のしつらえによって、どちら向きなのかが変わります。
どちら向きなのか?というのを、「主位」「客位」という言葉で表現します。
若松は主位に生けています。床の間の明かり口(窓)が左についている場合は、下座床といい、主位の生け方にします。
反対に、万年青は客位に生けています。こちらは、床の間の明かり口が右にある場合(上座床)の生け方です。
新年の茶室
お茶室の床は「結び柳」が主流となっています。
床の間に柳釘を打ち、青竹の花入れを掛け、長い柳を中間で結んで床に垂らします。中国の故事で、旅立つ物が無事に帰ってくることを祈って、柳を三本使って和に結び、旅立つ者を送ったことが起源です。無事に1年が過ごせるようにとの願いを込め、「一陽来復」の意味で、結び柳がかけられるようになったと言われています。
気軽に生ける、現代のいけばな
菊、赤芽柳、バラン。自由に形づくりました。
色のコントラストが華やかで、赤い柳のカーブさせた線、菊の黄色、緑のバランを生かしています。
格花に対して新花は、洋間にも合う現代的な花です。お正月には、よく菊やセンリョウなどが生け花セットで売っていますので、生けてみるとお部屋が華やかになりますね!
茶道体験古都では、お待合室にできるだけいつもお花も飾るようにしております。お茶室の茶花とはまた違うものですので、生け花もご覧になってくださいね。
ご希望の方は、茶道体験古都にて、生け花体験レッスンもご相談くださいませ。
茶道体験古都
資格
茶道裏千家専任講師
華道未生流師範
民族衣装文化普及協会 着付け指導師範
参考
URL:http://www.ikebana.co.jp/misho-philosophy/4-4a.html
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