茶道では、古帛紗、茶入れを包む仕覆、掛け軸の表装など、美しい裂地を拝見する機会がたくさんあります。
茶道具の姿を整えるためであったり、お茶碗を丁寧に扱うために使われるのですが、これらは、お家のインテリアにも使える、美しい裂地です。
名物裂の種類と真・行・草
茶道で仕覆や古帛紗に使われている裂地は、一見違いが分かりにくいように見えますが、いくつか種類があります。
代表的なのが、緞子(どんす)・金襴・間道(かんとう)です。
- 緞子:先染めの同色の経糸・緯糸を用い、地組織は繻子(しゅす)、文様は地の裏組織をもって浮きだたせた絹織物です。一番格の高い、フォーマルな織物「真」にあたります。写真の、梅鉢の仕覆は、濃茶の茶入れを包む、「利休緞子」です。
*繻子:経糸・緯糸五本以上から構成される、織物組織(三原組織)の一つ。経・緯どちらかの糸の浮きが非常に少なく、経糸または緯糸のみが表に表れているように見える。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%BB%E5%AD%90%E7%B9%94)
- 金襴:金箔糸を用いて紋様を織り出したもの。綾地に平織で紋様を織り出したものが多い。格でいうと、真ん中の「行」にあたる。
だいぶ使い込んでいますが、花喰鳥葡萄唐草金襴。
- 間道:縞・格子・横縞などがある織物。中国の広東を中心に作られていた織物だから、かんとうと呼ばれるようになったという説がある。一番カジュアルな「草」にあたる。
古帛紗はインテリアにも使える
古帛紗は、寸法は縦15,2cm・横15,9cm。
点前で使うこともあれば、床の間に飾るために用いられることもあります。お客様が、茶道具を拝見するときに、丁寧に扱うために古帛紗が使われることもあります。
また、お客様が一番目にする機会が多いのは、大寄せのお茶会で、水屋(台所)から薄茶が運ばれてくる時です。お点前で点てられたお茶は、手盆で出されますが、水屋からお運びの場合は、丁寧さを添え、古帛紗を使って、お茶碗が運ばれてきます。
コースターに使うのはもったいない気もしますが、大切なアクセサリーボックスの敷物に、また、小さい置物に添える敷物として、使うことができます。
北村徳斎さんの帛紗
北村徳斎さんの帛紗は、茶道をされている方がよく利用される帛紗です。
お点前用の帛紗も、よくあるような橙や赤、紫色のものから、少し変わった色合いのものもあります。美しい色を見ながら、どれにしようかと迷うのも楽しいです。
古帛紗も、様々な柄があり、伝統的な名物裂から、ヨーロッパ系のデザインをもとに作られたものもあります。写真は、丹地連環蜀江錦。
裏千家や表千家と、堀川通を挟んで向かい側、寺之内通を西へ入ったところにお店があります。
北村徳斎帛紗店
〒602-8411 京都府京都市上京区寺之内通り堀川西入ル東西町414
TEL:075-414-0294
URL: http://kitamura-tokusai.jp/