茶箱とは、点前道具一式を箱の中に仕組んだもので、旅先でもお茶一服いただくことができます。千利休が野外でのお茶会を催されたときに、使われたのが始まりです。
現在の茶箱点前には、裏千家11代玄々斎がご考案された卯の花、雪、月、花と、14代淡々斎がご考案された和敬点、色紙点の6種類があります。
卯の花(夏)、雪(冬)、月(秋)、花(春)は四季に合わせたお点前になっており、季節の変化を楽しむことができます。
茶箱点前「花」
茶箱点前「花」は春のお点前で、桜の木の下、野外で行うにも最適ではないでしょうか。
このように、棗やお茶碗、茶杓を仕覆に包んで箱の中に仕組みます。
旅先に持って行けるお道具なので、どれも通常より小ぶりでかわいらしいものです。
左奥にある蓋つきの容器は「振り出し」といい、豆類や金平糖を入れます。右手奥には茶巾筒と茶筅筒が入っています。
お替え茶碗も桜をテーマに選んでみました。
花点前(お茶が点つまで)
1、花形盆があると良いのですが、同じような大きさのお盆であれば代用は可能です。茶箱を盆の上にのせて運び出し、スタートです。
2、このように箱から出し、仕覆を脱がせてお盆の上でお点前をします。
3、棗、茶杓を清め、茶筅通しをして、お茶碗を茶巾で拭き、お菓子をおすすめします。お客様は、振り出しから懐紙の上にお菓子をとります。
4、お茶を点てます。
5、お茶が点ったところです。古帛紗の上にのせて出します。
お茶碗がお客様から返ってきたら、清めておしまいをしていきます。
お花見に茶箱でお茶を
3月末から、桜のシーズンです。京都では、円山公園や鴨川沿いなどでもシートを広げてお弁当やお酒を持ち寄り、たくさんの人がお花見を楽しまれています。
シートの上で、お弁当のデザートに、お抹茶とお菓子はいかがでしょうか。
もし、茶箱までは難しくても、よく巾着に入った「野点セット」もありますので、気軽に楽しめると思います。お湯は、魔法瓶の水筒に入れて準備すれば、瓶かけと鉄瓶がなくても、大丈夫です。
本日ご紹介した、茶箱花点前は、4月9日(土)におづ京都maison du sakeさんで行います日本酒と茶道のコラボレーションイベントでも、行う予定です。
是非ご参加をお待ちしております。