古都 茶会記

気軽に楽しめる茶道と京の徒然

北野天満宮 松向軒の月釜

北野天満宮には、月釜が2つあります。松向軒と、明月舎です。

そのうち松向軒の月釜は、毎月第二日曜日ですが、毎年1月だけは新年の行事が少し落ち着いてから、第三日曜日に開催されます。

学問の神様として有名な北野天満宮。昨日は1月17日でしたが、日曜日なので初詣に来ている人がまだまだ多く、駐車場も満車。

お茶会に来た人以外にもたくさんの参拝客で賑わっていました。

 

 

 

松向軒(しょうこうけん)

 

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豊臣秀吉が北野天満宮で大茶会を催した際に、細川三斎が作った茶室を復元したものです。

影向(ようごう)の松のそばにあったので、「松向軒」と名付けられたと言われています。正面の鳥居を入って左側にあります。

先日このブログで少しご紹介した大徳寺の塔頭・高桐院にも同じ名前の「松向軒」がありますが、こちらは、1628年(寛永5年)に三斎が作った茶室を移築したものです。

高桐院は細川家縁のお寺ですので、三斎(忠興)と妻ガラシャのお墓がある場所です。

 

 

 

 

寄付

 

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寄付とは、茶席(本席)に入る前に、身支度を調えたり、待ち合わせをしたりする場所です。お待合とも言います。

カバンやコートなどは風呂敷にまとめて包み、預けてから本席に入ります。

受付も、こちらで済ませます。会員の方以外は、臨時会費をこちらでお支払いして、どなたでも参加できます。古袱紗に新券をお包みして、お渡ししました。

 

お寺や神社の月釜は、初めての方は、どなたか付き添いの方と一緒に来られることがほとんどなので、観光客の方が来られることはあまりないそうです。

もしも一人で初めて行く場合は、体験教室などで薄茶のいただき方を学んでから行くと良いかもしれません。

 

寄付には、画賛などが掛けられていることが多いです。

今年最初の月釜でしたので、平成28年の干支・申が掛けられていました。美人画で有名な上村松園の作品だそうです。能衣装を着ているのが申でも、美人画のように気品があります。

 

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寄付で準備が整いましたら、腰掛け待合へ移動。

亭主よりお声かけがありましたら、いよいよ本席に入ります。

 

 

 

 

一月の茶席 紹鴎棚

 

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新年の茶席では、紹鴎棚や台子をよく見かけます。

大ぶりの立派な棚は、新年のおめでたい席にふさわしいからかと思います。

紹鴎棚は、名前の通り、佗茶の骨格を作り、千利休に伝えた武野紹鴎(たけのじょうおう)のお好みの棚です。

下に襖があり、袋棚と言います。右にねじり梅の水差しが入っています。

サイズ的にもこのような背の低い水差しでなければ入らないということもあり、紹鴎棚には、合わせてねじり梅の水差しが使われることが多いです。

 

天板(一番上)には、よく文箱・硯箱などを飾られます。

今回は、干支の申が飾られていました。

 

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お菓子は、老松さんの「丹頂鶴」という薯蕷。

新年の茶席らしい、華やかなお席で、お茶もお菓子もおいしくいただきました。

 

 

*茶席では写真を撮れないことが多いので、勝手に撮ってはいけないものですが、本日は最後にお道具を拝見させていただいた際に、特別にブログに載せることも許可をいただきました。感謝致します。

各お寺・神社の 月釜は、毎月担当の先生も違いますし、お席によっては必ず着物で、写真を撮ることなど考えられないという場所もありますので、その場の雰囲気を大切にして参加するようにしましょう。

尚、弊店・茶道体験古都は、観光客の方が気軽に来ていただきたい茶道体験施設です。お道具の写真も自由に撮っていただけます。

 

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 ちなみに・・初秋の松向軒にも行って参りました。

blog.teaceremony-kyoto.com