「京焼」「清水焼」と聞いて、どんな焼き物を思い浮かべられますか?
よく言われるのは、「京焼には明確な特徴がないことが特徴だ」ということです。
つまり、作家さんやお店の個性が強いと言えます。
京都清水で焼かれた焼き物=京焼ということですね。
五条坂から大和大路通りを少し北へ上がったところに、清水焼の西川貞三郎商店さんがあります。華やかな白菊は、一度見たら忘れないデザインです。
四季を表現 交趾焼(こうちやき)の抹茶盌
とても華やかな、交趾焼(こうちやき)の抹茶盌です。
交趾焼とは、ベトナムのコーチシナ(交趾支那)との貿易で交趾船によりもたらされた焼き物で、京焼ではその写しものとして作られてきました。
茶道では、よくお香合や、初釜の台子に合わせた華やかな水指・建水・杓立てにその技法を見ることが多いと思います。
技法は、
粘土を絞り出して文様を描いた素地の上に、鮮やかな色釉を盛るように厚くかけたもの。
参考:「京焼・清水焼」西川貞三郎商店
触るとつるんとはしていない、独特の立体感が感じられます。
茶室では楽焼きなどの侘びた趣向のお茶碗が大変好まれますが、このような交趾焼や色絵といった華やかかつ繊細な焼き物も、京焼の特徴です。
海外の暮らしにも溶け込みやすいデザインです。
女性目線で 華やかな鉄瓶や急須のセット
交趾焼や「描き詰め」などの技術をたっぷり活かして作られた美しい急須セットや鉄瓶も、魅力的です。
色がとても華やかです。
写真の後方にある「白菊」のデザインは、一度見たら忘れませんね。
とても印象に残りました。
もともとは、お爺様の代では紫の地色に白菊の湯呑を作られており、三代目の加余子様が、様々な色のバリエーションや形を作られたそうです。
これらのセットは、ディスプレイしたときにも、美しく飾れるように精巧に作られていることも特徴です。
伝統も感じる美しい清水焼。素敵ですね。
よく海外お客様は、「鉄瓶」や「急須」を探されていてどこに売っていますか?と聞かれることもあるので、西川貞三郎商店さんをご紹介したいと思っています。
重陽の節句のお茶会に 白菊の抹茶盌
菊は9~11月半ばくらいまで楽しめますが、特に重陽の節句のお茶会にはぴったりです。
こちらは、西川貞三郎商店さんの伝統的な紫の地色に白菊。
煎茶器の菊とはまた少し違った交趾の菊で、華やかだけれど繊細さも感じます。
こんな美しいお茶碗が家にあると、「家を綺麗にしよう」「どんなおもてなしをしようか」「お菓子は何にしようか」と、毎日が楽しくなる気がします。
西川貞三郎商店さんは、主に海外への輸出をされており、その商品は、フランス・パリのお宅や、京都のフランス料理店、フランス菓子の教室でも使われています。
写真を拝見しましたが、みなさんとっても上手に、それぞれにコーディネートを楽しまれています!
京焼は国境を越えて親しまれているのですね。
私も、秋には白菊のお茶碗でお客様をお迎えするのが楽しみです。
西川貞三郎商店
京都市東山区大和大路五条上ル山崎町377
TEL: 075-541-5191