最近は、小さな子どもがいるのと、忙しいのとでぱったり行かなくなってしまっていますが、私は、美術館に行って絵画や陶器などを見るのが好きです。
琳派の絵画や陶器、印象派の絵画などは、美しくわかりやすいものが多く好きですが、現代アートと呼ばれる分野は、抽象的でわかりにくいものもあり、あまり得意ではありませんでした。
一方、周りには私が苦手な現代アートが好きだ!という方も、もちろんいらっしゃいます。好みは人それぞれ。
楽しめるか、楽しめないかは、あなたの心次第です。
しかし、魔法の言葉によって、興味の薄いものも楽しめるようになることもあるのです。
イタリア・フィレンツェのウィフィッチ美術館
私は、23歳の夏、一人で親戚を訪ねてイタリアのフィレンツェに旅行に行きました。フィレンツェといえば、美術の街。
嬉しくてたまりませんでした。
しかし、私は大学も法学部で、事務の仕事をしていたので、ルネサンス美術についての知識といえば、あまり持っていませんでした。
ルネサンス初期の偉大な画家ジョットーからどのように発展していくのか、フレスコ画とは何か、宗教画について等、全然知らないことに気が付きました。
(今も詳しくはありませんが。)
でも、フィレンツェに行く!となったら、わくわくして、ルネサンス美術についての本や、メディチ家についての単行本を読みました。
感じるままでも楽しい けれど、知ればもっと面白い
ウィフィッチ美術館には、歴史に残る名画がたくさんあります。
有名なボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」「春」は、深く知らなくても印象にはっきりと残るくらい、「感じるままに」美しく、楽しめる作品でした。
そういう作品の前には、しばらく座っていたくなるのですね。
しかし、フィレンツェには小さな美術館や、有名なフレスコ画が残っている教会もあり、事前に知らなければ大きな美術館だけ行って、見過ごしていたかもしれません。
例えば、サンマルコ修道院。大きな美術館や大聖堂に比べたら、観光客の人数はとても少なかったですが、「受胎告知」の絵は感動しました。
英語も通じない、静寂な修道院の中にある絵画。
フラ・アンジェリコという作者について、フレスコ画について、知っていたらより感動が深まると思います。
茶道体験 心に残る体験になるか?
外国人の方からはストレートに様々な質問をいただくことが多いです。
「日本の茶道のお茶碗はなぜ値段が高いの?」
「お茶会には何の意味があるの?」
などなど。
お点前を見ただけで、ものすごく感動してくださる方もいらっしゃれば、お点前の「意味は何か?」を言語化して伝えなければ伝わらない場合もあります。
むしろ、言語化しなければ、伝わらないことの方が絶対に多いです。
日本人の方でも、季節の感覚や和室の生活から離れている場合は、「日本人だから見ただけでわかるに決まっている」と思っていたのでは、伝わらないこともよくあります。
もしかしたら、お点前を見ただけで感動したお客様は、事前に何か本などで勉強してこられたり、ヨーロッパ等、歴史・文化的な背景の深い地域の御出身であったりするかもしれません。
「感動」の振れ幅は、同じ体験を提供していても、人によって違うなと思うことがよくあります。
好みによることもあるけれど、「言語化」して伝えることで生まれる感動もあるので、これからも英語での説明を継続していきたいと思います。