古都 茶会記

気軽に楽しめる茶道と京の徒然

古都の思い出

茶道体験古都のお客様から、よく「どこで英語を勉強したの?」「茶道はあなたの家業ですか?」と聞かれます。

私は、京都生まれ京都育ちですが、代々続く茶家に育ったわけではありません。長期的な海外留学経験もなく、大学では全く茶道や英語とは関係の無い、法律を学んでいたので、英語を勉強したのは小学校から高校時代に、自宅学習が主でした。

そう答えると驚かれることが多いのですが、一般的な家庭で育った私が、どうして金閣寺の側に茶道体験教室(英語可)を開いたのでしょうか。

近所の外国人シェアハウス

 

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私が小学生から中学生の頃、近所に外国人が集まって住んでいた古民家がありました。今で言う、外国人の「町家シェアハウス」です。

日本庭園に興味があって来日していたドイツ人女性、日本の製本技術を学びに芸大に通っていたフランス人女性、デンマークの芸術家の女性、日本語を学びに来ていたアメリカ人男性、何カ国語も話せるロシア人文学者のご夫婦。日本文化に興味があるという共通点で、多くの方が集まっていたのです。

 

そこから、代わる代わる私の家に英語を教えに来てくれました。英語が母国語の方はアメリカ人男性のみでしたが、ヨーロッパの方は皆さん英語が堪能でした。

 

次第に彼らと親しくなり、シェアハウスに遊びに行って異国の料理をいただいたり、彼らの個展を見に行ったり、一緒に浴衣を着て祇園祭に出かけたり。

残念ながら今では、そこには外国人は住まなくなり、交流がなくなってしまった方も多いですが、帰国されるときは、色紙に「心」と墨で書いて送ったり、貼り絵や折り紙を送ったりしたのを覚えています。彼らとの交流は、本当に楽しい思い出です。

 

親友との出会い

 

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英語が好きになり、一生懸命学んでいた中学生の頃、学校にタイから交換留学生が来ました。その時、私の家にホームステイしてくれた彼女が、今でも手紙やメールでやりとりしている親友です。

最初は、お互い会話も手紙も英語でしていました。近況報告に加え、京都とタイの文化・気候・行事等を教えあい、異国文化に触れることは新鮮でした。

さらに驚いたことに、彼女はどんどん日本語が上手になっていきました。ひらがなからいつしか漢字も見られるようになり、8年後に東京で再会したときは、話すのも本当に上手でびっくりさせられました。

辛いときや苦しいとき、遠くにいても、なぜかこちらから言わなくとも気がついてくれ、温かいメールや手紙が心の支えとなっていました。

いつも側にいるように思えるタイの親友ですが、日本の友人のように、一緒に過ごしている時間は長いわけではありません。それでも15年間、交流が続いているのは、彼女の温かい人柄と、お互いの「文化」交流があったからだと考えています。

 

いつもそばで支えてくれたもの

 

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まだ若い私が書くのも変な気はしますが、人生は躓きと辛いことの連続です。

そんな時、助けとなってくれたものの一つに、必ずお茶やお花、きものといった日本文化がありました。特にお茶室に入ると、日常からは離れ、異空間にいる気持ちになります。呼吸を整え、心を整えていきます。季節を感じ、今あることに感謝する。そして、その心をまた日常に帰ったときにふと思い出し、「もう少し頑張ってみようか」という気持ちになります。

 

心に残る日本文化を

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日本文化を心の糧と感じているのは、私だけではありません。

タイの親友も、日本文化を通して、同じことを感じているようです。

 

彼女のメールより抜粋・翻訳。

「私の人生は、京都に行って、あなたに会って変わりました。

いつも日本に行くと、家に帰ってきたと感じます。

私にとって、日本の伝統芸術・文化は生きる道、すべての物や細部を通して私たち自身を心の底から理解する方法、やさしく強くなるための道、変化と違いを理解する道。国の文化遺産だけでなく、文化はすべての人にとって必要なこと。」

 

茶道や華道、きもの、書道、折り紙、貼り絵など、日本文化を通して海外の方と交流してきた時間は、どれも思い出深く、海外の方にも楽しんで共有していただけました。

これからも、少しでも茶道体験が、皆さんが帰られてからも、ふと思い出していただける心の栄養になればと願っています。

 

経歴・資格

 一般企業で5年間勤務。NPO法人京都文化企画室で茶道体験ボランティアスタッフ、茶道体験Enでマネージャーを経験後、茶道体験古都をオープン。

茶道裏千家専任講師

華道未生流師範

民族衣装文化普及協会 着付け指導師範

 

茶道体験古都

金閣寺から徒歩1分!

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