金閣寺から徒歩1分。茶道体験古都の亭主です。
外国人観光客や京都への旅行者様に、茶室での作法や和のおもてなしの「楽しみ方」を体験していただくことにより、心の栄養補充できる場所を提供する活動をしています。
外国人のお客様からも、よくなぜ「茶道講師になろうと思ったの?」と聞かれます。
「前は何をしていたの?」と聞かれることもあります。
サラリーマン時代、趣味で始めた茶道
「なぜ茶道の先生に?」と質問されたお客様は、もしかしたら「小さい頃からやっていたから」という伝統的な答えを期待されているかもしれませんが、私は、サラリーマンから転職して、茶道講師になりました。
しかし、最初から「絶対茶道の先生になりたい」と思っていたわけではありません。
大学を卒業して、金融機関で働くようになり、頑張ろうと思ってはいましたが、職場では割と早い段階から「仕事のできない人」のレッテルを貼られ、結婚したいと思っておつきあいをしてみても、プライベートも何もかもうまくいかず、しんどい毎日を送っていました。
そんなとき、何か心の支えになるものがほしい、打ち込める趣味がほしい、と思って茶道・華道・着物の着付けを学び始めたのです。
精神的に辛かったサラリーマン時代
しばらくは、「3年は・・・・」と言われているから頑張ろう、「今辞めたら、今後の自分のためにもならない」「せっかく採用してくださった会社にも申し訳ないから、頑張ろう」などと思い直し、約5年間勤務しました。
その間、テラー担当や、新入社員の教育係を任せられたこともあり、全面的に駄目な社員でもなかったようですが、自分では、毎日何か怒られ、何か謝罪し、「しんどい毎日だった」という記憶が強いです。
そんな毎日の中でも、休日に茶道のお稽古に行けた時間は、日常を一時的に忘れて心を落ち着けることができる、貴重な時間でした。
茶道のお稽古の時間を持てていなかったら、私はもっと精神的にしんどくなっていたかもしれない、もっと自己嫌悪に陥っていたかもしれない、と思います。
心の栄養補充できる空間を提供したい
安定的な仕事という大きなメリットのある金融機関の仕事でしたが、ついに精神的に耐えきれなくなり、勤務5年を迎える寸前で退社しました。
転職活動をしていた時、漠然と以前から「日本文化に関わることで仕事ができたらいいな」と思っていたところ、外国人に茶道を教えるという仕事をハローワークで見つけ、雇っていただいたのです。
英語ができたことと、サラリーマン時代もボランティア活動として、外国人に茶道を教える活動をしていたことが採用の決め手だったのではないかと思います。
そして、「外国人観光客の方にも、もっと日本の四季を表現した、日本の美意識を味わっていただける茶道体験を提供したい」
「日本人のお客様も、私のように仕事やプライベートで普段忙しい方々に、お茶室で心の栄養補充ができる時間を提供したい」
という想いが強くなり、昨年9月1日に弊店「茶道体験古都」をオープンするに至りました。
もうすぐ、1年経とうとしています。
前日の21日は、国連本部で毎年、全世界に停戦を求められる、国政平和デーです。茶道の精神は、平和に通じます。
毎日、海外からのお客様をお迎えしている弊店で、国際平和を祈念するお茶会を開催します。