中小路家住宅は、京都府向日市の西国街道沿いにある、弘化5年(1848年)建造の大型民家で、国の登録有形文化財です。
現在は、個展などのイベント会場や、カフェとしても使われています。
毎年、茶道・華道の同じ社中の先輩が、こちらで個展を開かれているので、見に行きました。
藍絞りの浴衣 作品を披露
今回のメインの作品は、藍の絞りの浴衣。
白と藍のコントラストがとても涼し気です。
京都では、舞妓さんがよく白地に藍のゆかたに、夏帯、白足袋に下駄で歩いておられますね。博多帯や赤い夏帯と合わせても素敵に着られそうです。
作者の細見さんは、ろうけつ染めの職人さんなので、絞り染めは初めて挑戦されたそうです。
「大学生の頃は、自然染料に興味がなくて、絞りもやらなかったけれど、最近になって良さが分かるようになった」とおっしゃっていました。
絞りの自然な濃淡がおもしろい作品です。
藍は、ろうけつ染めとの併用も可能だそうなので、今度は、ろうけつの技術と藍の絞りの作品を見てみたいですね!
江戸の粋、京都のはんなり
きものの好みは、京都と東京では、やはり違うそうです。東京は、都会でコンクリートのビルも多いので、その風景に合う色で、シックなもの、黒系を好む人が多いそうです。
一方、京都では、よくこういう山吹色のような深い黄色や、茶色がかった赤い帯も見かけます。
中小路家住宅もそうですが、伝統的な町家や、お庭の中では、はんなりとした色が映えます。
細見さんの今日の帯も、ご自身で染められた、ろうけつ染めの作品です。
琵琶と動物園でスケッチされた鳥の作品。個性的で可愛らしいです。
なんと、関西巻きと関東巻きで、おなかに来る柄が変わるそうで、リバーシブルで使えるんですね。デザインもよく考えられています。
かぼちゃの花の夏帯
写真ではわかりにくいですが、地紋に波があります。
かぼちゃの花に、金の刺繍がほどこしてあり、華やかになっています。
漫画 #保育園落ちたの私だ
こちらは、三嶋さんの作品です。
タイムリーなテーマです!でも、描かれているタツノオトシゴや子どもの虎がとてもかわいい。
今日は、短い時間でしたが、中小路家住宅の伝統ある佇まいの中、色々な作品を楽しませていただきました。
作品と共に、お庭や床の間、襖など、細部がどこを見ても美しい空間でした。
中小路家住宅は、阪急西向日駅から、Googleマップを見ながらやっとたどり着きましたが、徒歩8分ほどです。阪急の線路の横の細道や、昔ながらの住宅街を歩いていくと、最短距離で着きます。
作品展は、明日29日まで開催です。
中小路家住宅
京都府向日市上植野町下川原48番地
TEL: (075)921-2657
URL: http://www.eonet.ne.jp/~nakakoji/