椿餅は、道明寺のお餅を2枚の椿の葉で挟んだ和菓子です。
中身は道明寺なので、関西の桜餅に似ていますが、桜餅ほどは馴染みがないので、少し探すのが難しいかもしれません。
平安時代から食べられている、歴史のある和菓子です。
源氏物語に登場する椿餅
源氏物語の若菜上で、若い人が蹴鞠をした後に、梨や椿餅を食べるという記述があります。
当時の椿餅は、今のような餡子は入っておらず、臼で引いて作った餅粉を甘葛の汁を練って団子にし、椿の葉で挟んだものだったようです。ほんのり甘い、白いお団子の素朴な味だったのだろうと想像できます。
今では、茶席菓子にも使われることのある椿餅ですが、当時は軽食のように食べられていたのかもしれません。椿の葉は、お餅がくっつきにくいようなので、配ったり、持ったりするのにもちょうどよかったのかもしれませんね。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%BF%E9%A4%85
現在の椿餅
写真の椿餅は、老松さんのものです。
このように見ると、とても上品な道明寺生地に緑の椿の葉が美しい取り合わせです。
今朝は予約なしで買うことができましたが、椿餅は2月でも、どこのお店でもおいているわけではないと思うので、少し見つけるのに苦労するかもしれません。
同じ道明寺でも桜餅のような香りはなく、よりシンプルで上品な味わいです。
京都・上七軒 老松(北野店)
茶道を習っていない人にとっても、夏みかんをまるごと使った夏柑糖があまりに有名な老松さんですが、有職菓子御調進所として、有職儀式典礼にもとづく婚礼菓子や茶席菓子を中心に作っておられます。
店内にも、日本の伝統的な婚礼菓子が展示されていました。
北野天満宮のすぐそばなので、北野の梅にちなんだ生菓子やお餅も作っておられます。
伝統的な茶席菓子を作っておられる一方、地元の風土のあったお菓子も作っておられ、体験教室も開催されています。
外国人の方や観光のお客様も、和菓子作り体験に朝から来られているようでした。
老松 北野店
住所 : 京都市上京区北野上七軒
電話 : 075-463-3050
営業時間 : 8:30-18:00
定休日 : 不定休
アクセス : 京都市バス「北野天満宮前」下車、徒歩5分
URL: http://oimatu.co.jp/