少し前まで桃色のさくらで満開だった嵐山・渡月橋は、今は新緑の季節です。
気がつけばゴールデンウィークも間近。
お出かけの計画を立てたくなりますね。
さわやかな新緑と川の流れと、渡月橋は、何度見ても美しい京都の風景です。
京都・嵐山 渡月橋
渡月橋は、京都の人にとっては、十三参りの時に後ろを振り返ってはいけない橋と信じられています。
数えで13歳になったら、大人のきものを着て嵐山の法輪寺にお参りに行くのですが、その帰りに渡月橋を渡る際、来た道を振り返ったら、せっかくお参りで授かった知恵をなくしてしまうと言われています。
この言い伝えにより、渡月橋を渡るときは後ろを振り返ってはいけないような気がしています。
桂川(大堰川)には、ボート遊びをしている人もいます。
平安時代から、船遊びがされていたようです。
秋には河原で太夫さんを招いて「もみじ祭り」の茶会も行われます。
湯豆腐 嵯峨野
渡月橋の北側を、桂川(大堰川)沿いに西に歩いて行くと、京都吉兆や翠嵐ホテルがあります。
突き当たりの道を曲がると、有名な湯豆腐嵯峨野の看板があります。
お向かいには、宝厳院。秋は紅葉の美しいお寺ですが、今は新緑が美しい季節です。
門をくぐると、お庭に松や美しい新緑が広がります。
今の時期は外国人観光客も多いそうで、フランス語や英語が聞こえて来ました。
外国人だからといってテーブル席を選ばれるわけではなく、皆様、お庭の見えるお座敷で食事を楽しまれていました。
茶道体験もそうですが、足が悪い人は別として、意外に「できるだけ畳に座って日本を味わいたい」「正座もトライしてみます」とおっしゃる外国人の方は多いです。
嵯峨豆腐森嘉 川端康成の「古都」にも登場
湯豆腐嵯峨野のお豆腐は、「嵯峨野豆腐」とも呼ばれる森嘉さんのお豆腐です。とてもきめが細かく、やわらかく、でも崩れない、こしがあるのが特徴。
今の季節は、メニューは湯豆腐定食3800円のみですが、夏は湯豆腐か、冷たい辛子豆腐を選ぶことができます。
子どもの頃、一度連れて行ってもらったときは、辛子は辛かったけれど、お豆腐がおいしくて感動したのを覚えています。
私の好きな小説のひとつ、川端康成の「古都」にも森嘉の湯豆腐は登場します。
主人公・千恵子が「お父さん、森嘉の湯豆腐をおあがりやすか。」と嵯峨の尼寺で帯の下絵を描いている父に差し入れます。
そして、「嵐山は今ごろえらい人やし、野々宮や二尊院の道や、化野(あだしの)が、うちは好きどす。」という会話が出てきます。
そうなんです。観光バスのお客様は渡月橋を見て、天龍寺を拝観して、お食事して帰る人も多いと思いますが、竹林を歩き、嵯峨野めぐりをする道が、私もとても好きです。
今日は、渡月橋付近のことだけ書きましたが、また今度は嵯峨野のことも書きたいなと思います。
湯豆腐 嵯峨野
〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町45
TEL:075-871-6946
営業時間:11:00~19:00