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古都 茶会記

気軽に楽しめる茶道と京の徒然

京都・梨木神社 染井会の月釜

梨木神社は、御所のすぐそば、上京区にある静かな神社です。朝、神社に行くと、どこからか鳥の声も聞こえ、自然を感じられます。

通常、毎月第3日曜日には、染井会による月釜が行われ、地元の方々が集まられています。

染井会という名前は、梨木神社の御名水「染井」に由来しており、茶の湯に適したまろやかな水として知られています。

 

 

 

萩祭りでも知られる梨木神社

 

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梨木神社は、尊王攘夷派の公家の代表であり、明治維新に大きく貢献した三條實美(さねとみ)(1837-1891)と、その父である三條実萬を祭神とされています。三條實美は、学問・文芸の神様として知られています。

9月の第3または第4日曜日前後には、毎年萩祭りが行われることでも知られており、雅楽の演奏や、日舞を拝見することができます。

三条家ゆかりの公家の雰囲気らしく、大変雅やかなお祭りです。

このことから、梨木神社は「萩の宮」とも呼ばれています。

 

 

 

 

 

 

 

染井の御名水

 

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染井の御名水は、茶の湯にふさわしい水としても有名です。

夏に行う「名水点て」というお点前は、お茶(濃茶)をいただく前に名水をお客様に召し上がっていただくものですが、このお稽古においても、よく梨木神社の染井が使われます。

「名水をご用意頂いたようでありがとうございます。是非お水を頂戴いたしとうございます。」とお正客がご挨拶し、一椀の御名水を連客で一緒にいただくという流れになります。

 

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こちらは、「水」にちなむものでしょうか。

水みくじもありました。水にひたすと、おみくじが浮かび上がってくるものです。

 

 

 

 

 

 

2月末・染井会の月釜 

 

 

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2月28日のお席は、3月の春を先取り。桃の節句と奈良のお水取りの行事の雰囲気で、あっと、驚くような、珍しいお道具をたくさん見せていただけて楽しませていただきました。

お菓子は、千本玉壽軒さんの、「糊こぼし」。会記を拝見したときは、どんなお菓子なのか、私にはまったく想像がつきませんでしたが、奈良の東大寺二月堂の*お水取りにちなんだ、椿形のお菓子です。堂内には、造花の椿が飾られるのですが、その形を模してつくったのが、「糊こぼし」という椿のお菓子なのだそうです。

 

大皿に本物の椿の葉を添えて出され、華やかでかわいらしく、お席が感動に包まれていたのが、印象的でした。

ちなみにこの写真は、奈良の萬々堂通則さんの糊こぼしです。

 

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お茶会では、その日のためだけに、特別にお菓子を作っていただいていることもあり、ご亭主の心尽くしを感じます。

 

染井会の月釜は、洋服の方の方が多いようで、お茶会初心者の方にもおすすめです。

 

*お水取り:東大寺二月堂の行事。若狭井(わかさい)という井戸から観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式。3月12日深夜に行われる。