古都 茶会記

気軽に楽しめる茶道と京の徒然

お家で楽しむ 節分茶会と豆まき

2月3日の節分は、立春の前日。つまり、旧暦の立春を新年とすると、節分は大晦日にあたります。

我が家では、鰯のつみれ汁や、恵方巻き、炒り豆をいただきます。

小さい頃は、幼稚園や家の庭で、豆まきをしましたので、節分というと鬼とお福さん、豆を鬼にぶつけて退治するという感覚が当たり前になっていますが、節分茶会をするとなると、さぁ、なんで節分には、鬼に豆なんだったけ?と由来を調べてみたくなります。

 

 

 

節分・「鬼は外、福は内」の由来

 

 

 

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画像https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9d/Tsuina_of_Yoshida_shrine.jpg

 

起源は、平安時代の「追儺(ついな)」という宮中の行事です。

大晦日に、方相氏という役職の人が先頭に立って鬼退治をし、その後に続いて公家が桃弓・葦矢(とうきゅう・いや)を用いて鬼を射る行事がありました。この行事は、足利時代になくなり、代わりに豆まきの行事となりました。

豆は、魔滅(まめ)に通じるとして、悪魔払いの意味合いがあります。また、豆まきの豆は、必ず炒り豆である必要があります。

生のお豆は、拾い忘れると芽が出るので、悪魔の芽を摘みそこなう恐れがあるからです。

また、鰯や柊も、鬼が嫌いな物とされているので、節分に食べたり飾ったりします。昔から、においの強い物は厄除け効果があると考えられることが多いので、鰯を焼く煙や匂いが鬼払いと考えられているのかと思います。

 

 

 

 

 

京都・吉田神社と天龍寺の節分行事

 

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節分には、京都の各神社やお寺で行事が開催されますが、一番有名なのは、吉田神社ではないでしょうか。節分の前後3日間、行事が行われます。

平安時代の追儺式を再現する行事もあり、2・3日の2日間は、たくさんの露店も建ち並びます。

 

吉田神社

〒606-8311  京都市左京区吉田神楽岡町30番地

TEL 075-771-3788

2月2日 午前8時 節分前日祭

    午後6時 追儺式(鬼やらい神事)  

2月3日 午前8時 節分当日祭       

URL: http://www.yoshidajinja.com/setubunsai.htm

 

 

節分のお茶会といえば、世界遺産でもある、嵯峨野の天龍寺が有名です。

豆まきは11時30分~、13時30分~、15時30分~の3回行われ、天龍寺の中の塔頭7カ所を巡る「七福神巡り」も楽しい行事です。総門前で福笹を受け、福笹に7枚のお札を受けて回ります。御利益がありそうです。

 

大本山 天龍寺

〒616-8385 京都府京都市 右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68

市バス28「嵐山天龍寺前」

TEL:075-881-1235(8:30 〜 17:30)

URL:http://www.tenryuji.com/event/index.html  

 

 

 

 

お家で節分茶会

 

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床は、大津絵の短冊。高橋松山さんの御作です。

「大津絵の筆のはじめは何仏」と芭蕉の句が書かれています。

大津絵は、京都のお隣、滋賀県の伝統工芸品です。寛永年間(1624~43年)頃に仏画として描かれ始め、阿弥陀仏・十三仏・お地蔵さん等、様々な種類の神仏が描かれました。それで、何仏が描かれるんだろう?という句なのですね。貧しい大衆信仰の対象として、親しまれたそうです。

後年になってからは、一般風俗や風刺画も描かれるようになりました。

怖いはずの鬼もちょっと可愛らしく、ほほえましい味わいです。

 

花は、侘助椿。ワンルームのお部屋などでは、もう少し小さい一輪挿しなどを使っても、似合うかもしれません。

 

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主菓子は、京都・塩芳軒さんの「おかめ饅頭」。

ほんのりとした頬の桃色も味も上品です。

塩芳軒さんは、随分前ですが、NHK朝の連ドラ「あすか」で、和菓子作りの指導をされたそうです。おかめ饅頭は、ドラマにも登場したお菓子です。

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干菓子は、京都・夷川の豆政さんの五色豆を折り紙の角箱(つのばこ)に入れて。角箱

は、ご家族で、お子さんと一緒に折っても楽しいです。

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梅のお茶碗でお薄を点てます。北野天満宮の梅も、咲き始めています。

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外国人にも好評。京土産に、豆政の豆菓子

 

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節分には、升に入った立派な豆のセットが売られています。

五色豆と炒り豆。赤・黄・白・茶・緑。茶はニッキの味、緑はお茶の味がほんのりする、甘い豆菓子です。

中を開けると、小さな福神金像も入っていました。おまけがついていると嬉しいですね!

 

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豆政さんの豆菓子は、弊店から徒歩1分の金閣寺の中でも色んな種類が売られています。

すはま団子も有名ですね。

弊店・茶道体験古都は、外国人観光客のお客様も多い、英語で茶道体験できる施設ですが、外国人の方のお菓子の好みは、日本人とは違って、何をお出ししようか試行錯誤しました。

多くの日本人が好むような、餡子の入った半生菓子や干菓子を同じ感覚でとてもおいしい!抹茶に合う!と言ってくださるお客様もいらっしゃれば、口に合わずに一口かじって残してしまわれることも。

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和菓子の良さを伝える難しさを感じていますが、そんな中、すはま団子は、外国人のお客様も国籍問わず、ほとんど残されたことがないお菓子です。

国産きなこと水飴で練って作られています。普段のおやつにもおすすめです。

 

豆政

〒604-0805 京都府京都市中京区夷川通柳馬場西入百足屋町264

TEL: 075-211-5211

地下鉄丸太町駅7番出口より徒歩5分

URL:http://www.mamemasa.co.jp/store/

 

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